たおる戦記

たおるは何も関係ないのです。

宮本武蔵の伝説 その1

ちょっとしたメモ

僕は山岳部に所属しているのだけど、山に登る人には変人が多い。普通に考えて山に登るなんて辛いだけだし、ただひたすら登るのなんて何が楽しいんだって大抵の人は思う。しかも、場合によっては命の危険を感じる時だってあるのだ。けれどそれを楽しいと思う変態が山岳部には集まるのだ。

 

その中で一人僕の友達であり、先輩であり、後輩でもある人を紹介したい。

 

彼は部活内では宮本武蔵(または武蔵)と呼ばれている。なぜ彼が武蔵かというと先輩が適当につけたからである。しかし、彼は武蔵に劣らずいくつもの伝説を残している。

ここではまず武蔵との出会いについて話したい。

彼との出会いはサークルの新歓であった。僕は当時一年生であり山には登ったことはないが、山岳部に興味があった。

サークルの新歓はキャンパスのメインストーリトで行われていたが、その日は生憎の雨で大抵のサークルは部室棟や空き教室で行われていた。山岳部も同様に部室で行われていた。僕は看板の案内に従ってどうにか部室棟を見つけ、山岳部の部室に訪れた。 

部室の扉をノックし、はじめて入った時の印象は「やべえ、サークルに来たな」と思った。(当時山岳部に加入した仲間のほとんどもそう思ったらしい。)

部屋の大きさは大体10畳くらいで、中央に四角い木のテーブルが置いてあった。その周りを山岳部の先輩たちがぎゅうぎゅう詰めに三角座りしていた。女性の先輩は一人だけで他は全員男だった。男の先輩たちは何やらよくわからない内輪の話をダラダラ喋っており、僕は新入生ながら「こいつら歓迎するつもりあるのか?」と心中で思っていた。すでに部室内は人で溢れていたので、僕はドアの近くのスペースにしゃなんで話を聞いていた。この時隣にいたのが宮本武蔵である。